孤独・孤立対策に「つながりサポーター」…市民ボランティア養成、専門機関への橋渡し役に

　政府は、岸田内閣が重要課題の一つに位置づける孤独・孤立問題対策の強化に乗り出す。悩みを抱える人を支えるサポーターを養成し、全国で支援策の成功事例を共有するためのデータベース（ＤＢ）作りも始める。支援体制の整備を通じ、孤独・孤立につながるケースを早期に発見し、官民が連携しての問題解決を図る。

　若者の引きこもりや高齢者の孤独死といった課題は以前からあったが、新型コロナウイルス禍で家で過ごす時間が増え、孤独・孤立の要因にもなる家庭内暴力や虐待が増えたとされる。内閣官房が昨年、１６歳以上の男女２万人を対象に行った調査では、「孤独感がある」と回答した人が約４割に上った。

　新設する「つながりサポーター」は、市民がボランティアとして担い手となり、身近な人の悩みに耳を傾ける。異変を感じた場合、専門機関への「橋渡し役」を担うことが期待される。孤独・孤立問題に関心を持つ人を対象に自治体などが講座を開き、基礎知識や支援策を学んでもらう。今秋にも有識者による検討会を設け、具体的な養成方法を詰める。

　養成後は、自治体が主に周知活動を担う見通しだ。サポーターにも、不安や問題を抱えている人の把握に努めてもらう。

続きを読む