家裁で妻殺害　男性無罪…東京地裁「心神喪失」認定　

投稿日 2023年10月21日 05:00:00 （医療総合）

　東京・霞が関の東京家裁で２０１９年、離婚調停中の妻を殺害したとして、殺人罪などに問われた米国籍のウィルソン・ジェイコブ・スティーブン被告（３７）の裁判員裁判で、東京地裁は２０日、無罪（求刑・懲役２２年）の判決を言い渡した。向井香津子裁判長は「統合失調症による妄想や幻聴の影響で心神喪失状態だった」と述べた。

　被告は１９年３月２０日、東京家裁で離婚調停中だった妻（当時３１歳）の首をナイフで切りつけ、失血死させたとして起訴された。起訴事実に争いはなく、責任能力の有無が争点になった。

　検察側は「家裁前で待ち伏せするなど、計画的な行動をとっている」として完全責任能力があったと主張したが、判決は、被告が起訴後の精神鑑定で「妻を殺害しなければ、妻らが誰かに拷問されて殺されると考えた」と説明するなどしていたことから、妄想や幻聴の圧倒的な影響で事件に及んだと判断。責任能力はなかったと結論付けた。

　東京地検の新河隆志次席検事は「判決内容を十分検討して適切に対処したい」とコメントした。

Source: yomiドクター

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