「誕生から死亡まで」患者の医療データを創薬に活用、厚労省が検討へ…情報は匿名化を想定

　誕生から死亡まで、患者の生涯にわたる医療データを創薬に生かすシステム構築を目指し、厚生労働省は１３日、有識者会議で検討を始める。国内でばらばらに管理されているデータをまとめて分析できるようにし、研究機関などが薬の効果や副作用を詳細かつ迅速に解明できる仕組みを目指す。データ利用について、患者本人からの同意を原則不要とするかも焦点となる。

　現在、薬の開発では、薬を使ったグループと、有効成分を含まない偽薬を使ったグループで効果や安全性を比べる「臨床試験」を行う。医療データを代用することができれば偽薬群の結果を推定できる。確保する患者数が大幅に減ることで、開発期間や費用の圧縮につながると期待される。

　６月に閣議決定された規制改革実施計画では、医療データを連結して匿名化したうえで、創薬などに使える仕組み作りの検討を厚労省に求めた。患者の同意がなくても情報を活用できる仕組みとするため、特別法の制定にも言及した。

厚生労働省

　厚労省の構想では、レセプト（診療報酬明細書）やがんの診断日や治療内容、死亡日などを記録する「全国がん登録」など、公的なデータベースの情報を連結できるシステムを国が

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