医療履歴　創薬に活用…厚労省検討　コスト圧縮期待

投稿日 2023年11月14日 05:00:00 （医療総合）

　誕生から死亡まで、患者の生涯にわたる医療データを創薬に生かすシステム構築を目指し、厚生労働省は１３日、有識者会議で検討を始めた。国内でばらばらに管理されているデータをまとめ、研究機関などが薬の効果や副作用を解明できる仕組みを目指す。

　現在、新薬の開発では、薬を使ったグループと、有効成分を含まない偽薬を使ったグループで効果や安全性を比べる「臨床試験」を行う。集めた大量の医療データの中から、条件に合致する患者の情報を引き出すことができれば、臨床試験の偽薬群データの代わりにすることができる。確保する患者数が大幅に減ることで、開発期間や費用の圧縮につながると期待される。

　６月に閣議決定された規制改革実施計画では、医療データを創薬にいかす検討を厚労省に求めた。患者の同意がなくても情報を活用できる仕組みとするため、特別法制定にも言及した。

　厚労省の構想では、レセプト（診療報酬明細書）やがんの診断日や治療内容、死亡日などを記録する全国がん登録など、公的なデータベースの情報を連結できるシステムを国が作る。

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