移植医療の理念　重視…臓器あっせん実刑「患者の安全　脅かされる」

投稿日 2023年11月29日 05:00:00 （医療総合）

判決を聞く菊池被告（左）＝イラスト・構成　秋山史朗

　ＮＰＯ法人「難病患者支援の会」（東京）による海外での臓器あっせん事件で、臓器移植法違反に問われたＮＰＯ理事長・菊池 仁達（ひろみち） 被告（６３）に言い渡されたのは、懲役８月の実刑だった。２８日の東京地裁判決は、移植手術を受ける機会の公平性の確保など、同法の基本理念を重視。被告の無許可あっせんで公平性が損なわれたとし、「責任は軽くない」と指摘した。

問題起こりうる

　「恥ずべきことは何一つない。世の中のためにやってきた自負がある」。今年１０月、結審に際して法廷でそう意見陳述した菊池被告。弁護側は初公判以降、海外での移植手術に日本の法律は適用されず、臓器を提供する側と移植を実施する側とを仲介していないため、あっせん業に

続きを読む