腎臓移植「平均１５年待ち」

投稿日 2023年11月29日 05:00:00 （医療総合）

　今回の事件の背景には国内のドナー（臓器提供者）不足があり、移植医療の課題が浮き彫りとなった。

　日本の人口１００万人あたりのドナー数（０・６２人）は世界７１か国・地域中６３位と低迷し、１位の米国（４１・６人）とは大きな開きがある。移植までの待機期間は、腎臓では平均約１５年にも及ぶ。この日の判決も「日本国内での移植医療の現状や、海外での適正な実施のあり方は今後、検討される必要がある」と指摘した。

　事件を受け、自民党の臓器移植に関する議員連盟はドナー不足解消に向けた議論を行い、今年５月、厚労省に具体策を提言した。

　提言を踏まえ、同省は来年度から、脳死の可能性のある患者が病院にいた場合、経験豊富な拠点病院と早期に情報共有し、医学的な助言や患者家族への接し方のアドバイスを受けられる事業を開始する方針だ。

　ベラルーシで腎臓移植手術を受けた５０歳代男性は「本来なら日本で移植を受けたかった。国は、国内の深刻な臓器提供数の不足に目を向け、対策を取ってほしい」と

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