続・共生のまちづくり＜４＞死、喪失の痛み　地域で共有

投稿日 2023年11月30日 05:00:00 （医療総合）

得意のハーモニカ演奏を披露する伊藤さん（右）（ものがたり茶屋で）

　伊藤博芳さん（９７）は自衛官だった。娘夫婦と３人暮らし。自宅近くにある富山県砺波市の総合事業デイサービス「ものがたり茶屋」に通う。古民家を利用して、高齢の利用者たちが料理や会話を楽しむ場所だ。

　伊藤さんは、「雨降りお月さん」や「里の秋」などの童謡をハーモニカで奏でる。唾液が少なくなり、うまく横に動かせなくなった。慢性呼吸不全や脊柱管 狭窄（きょうさく） 症の持病もある。

　「格好よく死ぬことについて考え、それは格好よく生きること」という結論に行き着いたという。何の病気で死ぬか自分では選べない。ならばあるがままを受け入れ、この土地の人々に 惚（ほ） れ、つながりを持って生きる人生がよいと思う。

　いずれ施設に入居しても、最後の１か月は自宅で過ごしたい。娘夫婦には我慢してもら

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