スマホのブルーライトをカットすれば、睡眠の質は改善するの？

　こんにちは。精神科医で睡眠専門医の三島和夫です。睡眠と健康に関する皆さんからのご質問に科学的見地からビシバシお答えします。

　寝る前にスマートフォン（スマホ）を見ると睡眠に悪影響を与えるという話はよく知られていますね。理由としてスマホの画面から出るブルーライト（青色光）による睡眠リズムの夜型化がしばしば挙げられますが、どうやらブルーライトさえカットすれば大丈夫、というわけではなさそうです。

　ブルーライトが睡眠に与える影響については、白色ＬＥＤが普及した頃からしばしば取り上げられるようになりました。特にブルーライトが睡眠リズムを遅らせ、夜型生活を悪化させる点が強調されていたように思います。もちろん、この指摘は間違いではありません。過去の研究から、体内時計の位相（タイミング）は主にブルーライトで調整されることが明らかになっているからです。

　光は波長の長い方から順に、赤外線、赤、橙（だいだい）、黄、緑、青、藍（あい）、紫、紫外線に分かれます。従来、家庭用照明として使われてきた蛍光灯に比べて、ＬＥＤの光成分の中には波長が４００～５００ｎｍ（ナノメーター）付近と短い青色光が相対的に多く含まれています。そのため、同じ時間、

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