［医療ルネサンス］能登地震　その後＜２＞相次いだ看護師の離職

投稿日 2024年4月16日 05:00:00 （医療総合）

地震後に退職した垣内さん（右）と引き継ぎ事項の確認をする上野さん（３月２１日、珠洲市総合病院で）

　「定年までこの病院で働き続けたいと思ってきた。けれど、能登半島地震で予定外に辞めることになってしまった」。石川県の 珠洲（すず） 市総合病院を２月に退職した看護師の垣内真由美さん（５５）は、そう言って唇をかんだ。

　地域医療の中核を担う同病院に３０年余り勤め、住民の健康を支える仕事にやりがいを感じていた。しかし、その暮らしが、元日の激しい揺れで一変した。

　夫と夫の父母と４人で暮らした珠洲市大谷町地区の自宅は、床が傾き、柱が折れ、２階が崩れ落ちてきそうで住めなくなった。近隣の家々も多くが倒壊した。

　同地区は発災直後、土砂崩れで道路が寸断され、孤立した。近くの小中学校にできた避難所には数百人が押し寄せた。垣内さんはそこで救護所を開設。他の看護師と

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