［医療ルネサンス］不整脈＜３＞「左心耳」塞ぎ血栓予防

投稿日 2024年5月9日 05:00:00 （医療総合）

　神奈川県横須賀市の無職男性（８２）は、ウォーキング中に目の前が真っ暗になって倒れたことがある。失神だった。顔面を路上に打ち付け、血が止まるまでに２０分近くかかった。

　男性は、６０歳代後半で不整脈の一種「心房細動」と診断されていた。血栓（血の塊）ができやすく脳 梗塞（こうそく） のリスクが高まる病気なので、約１５年間、血液をサラサラにする「抗凝固薬」を飲み続けていた。血が止まりにくかったのは抗凝固薬の影響とみられた。

　失神をきっかけに、かかりつけ医から「大きな病院で一度診てもらった方がよい」と言われ、２０２１年５月、横須賀共済病院・循環器病センターを受診した。詳しく心臓を検査すると、心房が細かく震える「心房細動」だけでなく、心房細動が長年続いて心臓に負担がかかった結果、心拍が遅くなる「徐脈」も起きていることがわかった。

左心耳を塞ぐ治療に

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