難病の潰瘍性大腸炎はいま珍しい病気じゃない…下痢が続いたら疑う病気のひとつに

　下痢は日常的に起こる症状です。食べ合わせが悪かったり、おなかを冷やしてしまったりして起こることもあります。ウイルスや細菌性の胃腸炎の場合もありますね。そうした一過性の症状とは異なり、習慣的に下痢気味の方もいます。過敏性腸症候群でもそんな症状が出ますが、検査をすると難病の潰瘍性大腸炎ということが珍しくありません。１９７５年に患者登録が始まったころ、国内で１０００人に満たないまれな病気でしたが、今や私のクリニックだけで２００人を超えています。消化器の医者としては、大腸がんに加えて、この病気のことも気になっています。

　４０歳代の男性Ｓさんは２０歳代のころから頻繁に下痢を起こしていました。過敏性腸症候群と診断されて、調子が悪いと整腸剤を飲んでいたそうです。この病気は精神的なストレスなどが原因で下痢や便秘など便通異常が起こります。日本人の１割にこうした症状が見られる一般的な病気です。治療としては、ストレスや疲労をためない生活を心がけ、Ｓさんのように症状に応じた薬を飲むこともあります。

　Ｓさんにとって大腸の不調とは長い付き合いでしたが、３年ほど前から症状がひどくなってきました。整腸剤を服用してもあまり症状が改善せ

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