「脳死１万人」　移植、医師負担軽減を

投稿日 2024年6月18日 05:00:00 （医療総合）

　国内で脳死の可能性がある患者は少なくとも年約１万人にのぼるとした今回の推計は、移植医療をどう推進していくかの戦略を立てる上で重要な基礎データだ。

　２０２１年の内閣府調査では１８歳以上の国民の４割が「臓器提供したい」か「どちらかといえば提供したい」と回答した。誰かの命を救いたいとする尊い意思を生かすには、患者家族に、脳死の可能性があることを伝え、臓器提供の選択肢を示すことが欠かせないが、治療にあたる医師に任せられ、心身ともに大きな負担となっている。

　人口あたりの脳死下の臓器提供件数をみると、日本は先進国では最低の水準にある。米国や韓国では、脳死の可能性がある患者情報を、医療機関があっせん機関に通報することが法律で義務化され、医師を支援する仕組みも整えることで提供者（ドナー）の増加につながった。日本でも、こうした通報制度について検討する必要がある。ただし、導入すれば、臓器提供を担う施設の負担は重くなる。

　国は今回の推計を基に、ドナーを増やす取り組みとともに、移植医療に携わる人材の育成や医療機関の体制整備に必要な費用の支援な

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