［医療ルネサンス］肺がん＜４＞遺伝子調べ　分子標的薬

投稿日 2024年6月19日 05:00:00 （医療総合）

男性は、マルチプレックス遺伝子検査で見つけた分子標的薬を服用している（５月、東京都で）

　ステージ４の進行した肺がんの治療は、薬物療法が中心だ。生検などでとったがん細胞を使って複数の遺伝子変異を同時に調べることができる「マルチプレックス遺伝子検査」を行い、変異に対応する分子標的薬を投与する治療が効果を上げている。

　東京都の男性会社員（６１）は２０２０年４月、肺の右中葉に３センチの腫瘍が見つかり、国立がん研究センター中央病院で進行した肺腺がんと診断された。放射線と抗がん剤投与を並行する化学放射線療法、免疫チェックポイント阻害薬を使う「地固め療法」、さらに右中葉の切除手術を受けたが効果は上がらなかった。がん細胞を含んだ水が胸に見つかり、「再発のリスクが高い」と言われた。

　「一筋の光」として期待したのは、「ＲＥＴ融合遺伝子」と呼ばれる遺伝子変異のあるがんをターゲットにした、分子標的薬「セルペルカチニブ（商品名・レットヴィモ）

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