「待機数公開」…移植　透明性高める一歩

投稿日 2024年6月19日 05:00:00 （医療総合）

　厚生労働省が、臓器移植施設ごとの待機患者数や平均待機期間、移植後の生存率を公開する方針を示したことは、移植医療の透明性を確保し、信頼を高める一歩となる。

　移植を希望する患者が、移植施設の情報を比較することは困難だった。そのため、手術実績の多い移植施設に患者が集中しがちになり、施設の人員や病床不足などによる臓器受け入れ断念にもつながっていた。

　日本の８０倍の移植手術が行われる米国では、臓器あっせん機関が、各病院の手術件数や待機期間、臓器の受け入れ率、移植後の生存率などのデータを公表している。病院の評判に直結するため、病院経営幹部は常にデータを注視している。その結果、病院の体制強化など、医療の質向上につながっている。

　日本では、日本臓器移植ネットワーク（ＪＯＴ）や、臓器別の移植専門学会がデータを収集してきたが、研究として一部が使われている状態にとどまっている。

　厚労省は現在、臓器受け入れ断念例について全移植施設を対象にした調査を進めている。国やＪ

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