［医療ルネサンス］がん患者と心臓＜１＞薬の副作用　心機能悪化

投稿日 2024年7月8日 05:00:00 （医療総合）

愛犬を抱く岡田さん。乳がんの治療は一段落したが、心不全治療薬は今も服用する（兵庫県内で）

　「ちょっと心配な数値が出ています。心臓の先生に診てもらいましょう」

　２０２１年２月、兵庫県立がんセンター（兵庫県明石市）の診察室。乳がん患者の岡田蘭子さん（６８）は、主治医の言葉に驚いた。

　前年１０月に右乳房の全摘手術を受け、１２月から３週間に１回、通院して再発予防の薬物治療を続けてきた。だが、血液や超音波の検査で、心機能の悪化がみられた。進行すると、治療を続けられなくなるおそれがあるという。

　階段を上る際の息切れ以外は気になる症状はなかった。「がんなのに、なんで心臓なん？」と疑問を持ちながらも、同センター腫瘍循環器科を受診した。がん患者の心臓の検査や治療を専門的に担う診療科だ。

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