［医療ルネサンス］子どものてんかん＜１＞難治性の発作抑える新薬

投稿日 2024年7月31日 05:00:00 （医療総合）

発作を防ぐための保冷剤やパッドを手に「暑いこの時期は、娘が大好きな遊園地に行くのは控えています」と話す千晃さん（左）と恵那さん（７月、奈良県内の自宅で）

　奈良県の特別支援学校中等部３年の八木恵那さん（１４）が、てんかん発作を初めて起こしたのは２０１０年３月。風呂上がり、右手がビクビクし始め、左手も震えだした。母・ 千晃（ちあき） さん（３７）が名前を呼んでも反応がない。救急搬送先の総合病院で発作は治まった。

　てんかんは、脳の神経細胞が過剰に興奮し、体の自由が一時的に利かなくなるなどの発作を招く病気だ。発作は転倒によるけがや風呂で溺れるリスクとなり、長時間続くと命に関わる。治療の基本は、抗てんかん薬で発作の抑制を目指す。

　子どものてんかんの７割は、薬の服用で抑えられ、成人までに発作がなくなる患者もいる。残りの３割は、薬が効きにくい難治性てんかんとされる。

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