「もっと話を聞いてほしい」発達障害の子を持つ母親が漏らす本音…少子化なのに診察時間が短いのはなぜ？

　以前、発達障害の小学生を持つお母さんたちのグループを担当したことがあります。医療の現場では、患者さん、ご家族に寄り添い、本当の思いを聞くことはとても大切なことですが、今回は、その時にディスカッションした内容を事例としてお伝えさせていただきます。

　お母さんグループは８人で、子どもさんが就学する前から通院されている方が大半でした。私が主治医を務めている方も、そうでない方もいらっしゃいました。このグループでは、テーマを決めてレクチャーやディスカッションをしていて、事前にお母さんたちから「担当のお医者さんとの上手な付き合い方」というテーマをいただいていたので、私はまず普段の診察場面で困っていることを挙げてもらうことにしました。

　ところが、「先生にはよくしてもらっていますから」「診察していただけるだけでありがたいです」などと、お母さんたちは遠慮した様子で、なかなか本音を聞き出すことができません。

　そこで私は、「今日は何を言っていただいても構いませんよ。私が医師だということは忘れてください。担当のお医者さんにも言いませんので」と宣言しました。すると、皆さん互いに顔を見合わせた後、「はい」と真っ先に手を挙げたお母さんが元

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