車いすテニス　小田凱人選手の骨肉腫　どんな病気？…「骨にできるがん」ではない

　パリパラリンピックの車いすテニス男子で、ダブルス、シングルスとも決勝に進んだ小田 凱人(ときと) 選手は小学生の時、「骨肉腫」を発症して車いす生活となりました。骨肉腫とはどのような病気なのか、国立がん研究センター中央病院希少がんセンター長の川井章さんに聞きました。（聞き手・道丸摩耶）

　 ――病気の特徴を教えてください。

　がん細胞が増殖して骨をつくってしまう悪性腫瘍です。骨にできるがんと誤解されがちですが、そうではありません。膝関節の周囲や肩の近くにできることが多いですが、骨以外の部分にもできます。骨になる細胞が活発に分裂する時、つまり成長期に起きやすいため、患者は１０代が中心です。女性より男性にやや多く、まれに先天的な遺伝子異常が関係しているものもあります。日本全国で１年間に２００人弱が診断されるまれながんです。

　 ――どのような症状が出ますか。

　病変部の痛みが主な症状で、成長痛やスポーツによるけがの痛みと間違えられることも多いです。まれに肉腫がある部分の骨が折れてしまい、病気に気づくこともあります。

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