大谷翔平選手がトミー・ジョン手術の翌年に５１－５１の偉業、投手としての活躍はどうなる？

　大谷翔平選手が１９日（米国時間）にメジャー史上初の５１本塁打５１盗塁の大記録を達成しました。もちろん日本で達成されたこともありません。今シーズンのＭＶＰに選ばれると確信しますが、もはやＭＶＰ獲得をはるかに上回る偉業です。１年前に右肘の手術を受けて、バッティングへの影響はどうなのか、整形外科のスポーツドクターとしては関心を持っていましたが、この通りの結果です。大谷選手はやはり特別な存在なのでしょうか。調べてみました。

７回２死３塁、今季５０号となる２ランを放つ大谷（１９日、米マイアミで）

　大谷選手が受けたトミー・ジョン手術は、肘の内側側副 靭帯(じんたい) 再建手術ですが、この手術後のバッティングへの影響に関する国際英文誌の論文を調べてみると、投球に関する報告に比べると圧倒的に少なくなります。

　３１シーズンにわたる野手３５選手の復帰前後のパフォーマンスを検討した論文（文献１）では、いくつかの指標で比較しています。打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価するＷＡＲ（Ｗｉｎｓ　Ａｂｏｖｅ　Ｒｅｐｌａｃｅｍｅｎｔ）、打者の長打力を表すＩＳＯ（Ｉｓ

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