［医療ルネサンス］動物のちから＜４＞病院でリハビリ見守る

投稿日 2024年11月12日 05:00:00 （医療総合）

リハビリを見守る中村さん（右奥）と休憩中の山下さん（左）の膝に顎をのせるジュリエット

　関西国際空港にほど近い大阪府泉佐野市内の佐野記念病院で９月上旬、入院中の山下文子さん（９２）が歩行訓練にいそしんでいた。足元がまだおぼつかない中で笑顔を絶やさない。つぶらな瞳が特徴のラブラドール・レトリーバー「ジュリエット」（雌、５歳）が傍らでリハビリの様子を見守っていたからだ。

　８月、山下さんは買い物を終え、店を出た際、寄りかかっていた買い物カートが横転した弾みで転倒。右脚の 大腿（だいたい） 骨を骨折した。同病院で手術を受け、リハビリを始めた。伝い歩きをしているリハビリ用平行棒の反対側の先端に、ジュリエットが黙って待っている。１往復して椅子に腰掛けた山下さんの膝の上に、顎をのせて頭をなでられるままにしている。山下さんは「ほんとに癒やされますね」とほほ笑む。

　ジュリエットが院内を歩くと、医療スタッフや患者・家族の多くが目を大き

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