［医療ルネサンス］大腸がん＜２＞薬物療法　選択肢広がる

投稿日 2024年11月19日 05:00:00 （医療総合）

定期検診で病院を訪れた女性（右）に最近の様子を尋ねる室さん（名古屋市の愛知県がんセンターで）

　岐阜県内の学童施設で働く女性（６６）は３０年ほど前に大腸がんを患ってから、転移や再発を何度も経験した。

　最初は３４歳の時、横行結腸にがんが見つかった。当時は医師から「大腸の潰瘍」と説明され、手術を受けた。女性が本当の病名を知ったのは、その５年後。定期的な検診のため通院していたある日、今度は肺の手術をすると医師に告げられた。

　「大腸の病気のはずなのに、なぜ？」。書店で医療系の書籍を読みあさると、ある本に「大腸がんは肺や肝臓に転移する場合がある」との記述を見つけた。医師に尋ねると、大腸がんと認めた。双子の息子は当時６歳。「この子たちを残して死ねない」と気持ちを奮い立たせ、左肺の３分の１を切除した。その後も数年おきに様々な部位にがんが見つかり治療を繰り返した。

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