年重ねる被害者　支援課題…薬害エイズ提訴３５年

投稿日 2024年11月20日 05:00:00 （医療総合）

　非加熱の血液製剤でエイズウイルス（ＨＩＶ）に感染した血友病患者らが国と製薬会社に賠償を求めた薬害エイズ訴訟の原告被害者のうち、半数を超える７４８人が今月１日までに亡くなった。訴訟提起から３５年、被告の謝罪と和解後、治療薬の発達でエイズは死の病ではなくなったが、中年層以上になった被害者の多くが今も様々な困難を抱えている。（編集委員　小松夏樹）

　被害者らが運営する「はばたき福祉事業団」によると、原告被害者１３８４人中、１日現在の生存者は６３６人。エイズの発症者は減ったが、ほとんどが血友病とＨＩＶ、重複感染の肝炎による肝機能障害などがあり、日常生活に何らかの支障がある人が多い。

　「血友病とＨＩＶのことは隠し、妻の協力で会社員を続けている」（４０歳代）、「関節の痛み、薬の副作用、経済面と親の介護が大変」（５０歳代）、「ＨＩＶの影響による在宅酸素療法、骨粗しょう症、肝硬変……」（６０歳代）。最近の被害者の手記ではこうした状況が語られている。

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