膨らむ医療費　抑制図る…高額療養負担上げ　少子化財源確保

投稿日 2024年11月22日 05:00:00 （医療総合）

　患者の自己負担を一定額に抑える「高額療養費制度」を巡り、厚生労働省が自己負担の上限額の引き上げ方針を示したのは、急速な高齢化や医療の高度化で、医療費が膨らみ続けているためだ。「次元の異なる少子化対策」の財源を確保するためにも医療費の抑制が求められている。

　厚労省は２１日の社会保障審議会の医療保険部会で、「支払える能力に応じた負担」を求める必要性を強調した。高齢者も含め、年収が多い人の負担額を増やすことで、医療費を抑えたい考えだ。負担の上限額を引き上げれば、７０歳未満では２０１５年以来、７０歳以上では１８年以来となる。

　同制度は、年齢や年収で自己負担の上限額が異なる。例えば、７０歳未満で医療費が１か月に１００万円かかった場合、保険の加入先から後日払い戻される分を差し引いた実際の自己負担額は、年収の目安で約３７０万～７７０万円なら約８万７０００円、年収が１１６０万円を超えれば約２５万４０００円となる。

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