［医療ルネサンス］難病法１０年　患者・家族の挑戦＜８＞ガイドブックで防災意識

投稿日 2025年1月17日 05:00:00 （医療総合）

作成した防災ガイドブックについて説明する桑野さん

　難病患者が災害に遭ったらどうすべきか――。茨城県美浦村の桑野あゆみさん（５２）が２０２０年７月、「難病患者のための防災ガイドブック」を仲間と作ったのは、患者目線でまとめた情報がなかったからだ。

　神経難病の多発性硬化症と診断されたのは仙台市で会社員だった２７歳の時。物が二重に、ぐるぐる回って見えた。治っては再発の繰り返し。十数年前から徐々に症状が悪化し、「手足はしびれ、右手の感覚はほとんどなく、箸やペンをうまく持てない」と言う。

　見た目では病気だと気づかれないが、生活に支障を抱えて悩む難病患者は多い。患者や家族が気軽に集える場を作ろうと１６年、結婚して移り住んだ茨城で、「難病カフェ　アミーゴ」を設立、代表に就任した。

　発足２年目のアミーゴで防災が話題になった。東日本大震災から６年たつのに、いく

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