耐性菌の拡大　不適切な薬の使用を改めよ

投稿日 2025年2月23日 05:00:00 （医療総合）

　薬が効かない「薬剤耐性菌」が世界中で拡大している。免疫力の弱まった病人やお年寄り、乳幼児にとっては命にかかわる重大な問題だ。対策の強化が欠かせない。

　耐性菌の拡大は、抗菌薬の過剰処方など不適切な使い方が主な原因となっている。

　抗菌薬は一般に「抗生物質」とも呼ばれ、細菌の増殖を抑えるためになくてはならない薬だ。ただ、むやみに使うと体内にいる細菌が薬への耐性を獲得し、薬剤耐性菌が出現しやすくなる。

　こうした薬剤耐性菌は、抗菌薬を投与しても死滅しない耐性を持っている。大腸菌や黄色ブドウ球菌など様々な細菌が変化し、耐性菌となることが知られている。

　体内で薬剤耐性菌が増えて病気になった場合、薬では治せないため、重症化や死亡のリスクが高まる。国内では、入院患者に薬剤耐性菌の院内感染が広がり、抗菌薬が効かずに問題が深刻化するケースがみられる。

　世界保健機関（ＷＨＯ）によると、耐性

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