悪夢を見て体が動いてしまう…それ夢遊病ではなく、レム睡眠行動障害かもしれません！

　こんにちは。精神科医で睡眠専門医の三島和夫です。睡眠と健康に関する皆さんからのご質問に科学的見地からビシバシお答えします。

　夜中に見る夢は頭の中の出来事なので、夢の中で動き回ったり、話したりしても、体は動きません。ところが夢の内容そのままに体が動いたり話したりしてしまう睡眠病があります。この睡眠病に気づいた時はしっかりと検査をして長期的に経過を見る必要があります。その理由を解説します。

　結論から先に言えば、この睡眠病は「レム睡眠行動障害」と呼ばれています。時々メディアでも取り上げられるので、ご存じの読者もおられるでしょう。主に高齢者がかかる病気です。

　日本国内の、ある地域に在住の６５歳以上の高齢者（平均年齢７６歳）を対象として行われた調査によれば、１．２３％（男性１．６０％、女性０．８４％）の人がレム睡眠行動障害と診断されました。今回はレム睡眠行動障害について少し深掘りして解説します。

　レム睡眠は夢を見る睡眠として有名です。実はレム睡眠以外の睡眠（ノンレム睡眠）でも夢は見ますが、レム睡眠の時に見る夢の方がストーリー性もあり鮮明です。

続きを読む