高額療養費制度の見直し問題　自己負担額増がもたらすものは何か…国民皆保険制度の根幹が揺らぐ？

　厚生労働省の高額療養費の患者負担上限の増額案が議論されています。２０２５年８月から２７年８月にかけて段階的に引き上げていく計画です。特に所得が高い層における負担が大きくなります。７０歳未満の場合、患者負担の月額上限は、年収約１６５０万円以上であれば２５万２６００円から４４万４３００円程度と７０％以上の増額となります。年収約２６０万円以上約３７０万円未満の場合は、５万７６００円から７万９２００円程度と３０％以上の増額です。一方、年収約３７０万円以上約５１０万円未満の方は、８万１００円から８万８２００円程度と１０％の増加に留まっています。

　ぼくはアメリカで５年間研修医をしていたので、高額な医療費が人生そのものを破壊してしまう光景を何度も見てきました。アメリカでは、成人の約５％にあたる１４００万人が１０００ドル以上、同１％にあたる３００万人が１万ドル以上の医療負債をかかえています。アメリカで自己破産する人の半数以上は、医療費が原因だとも言われています。

https://www.kff.org/health-costs/issue-brief/the-burden-of-medical-debt-in-the-united-states/

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