［医療ルネサンス］チックの悩み＜１＞病気の特性　親子で学ぶ

投稿日 2025年3月4日 05:00:00 （医療総合）

チックが出たときの合図で、人さし指を立てる動作を確かめる母親（右）と次男

　「おなかがピクってなるから眠れない」。東京都内に住むパートの女性（４５）の次男（１１）がこう訴えたのは５歳の頃だ。

　入眠時によく起こる現象と思っていたが、次男が小学３年生の時、病気が原因と知った。高熱が出ておなかがビクビクと動く様子に熱性けいれんを疑い、都内の病院で脳波の検査などを受けた結果、「チック症」と診断された。

　チック症は意志とは無関係に体が動いたり、声が出たりするチック症状が表れる病気。運動に関わる脳内の神経伝達がうまく機能しないためと考えられ、子どもの約１割に起きるとされる。このうち約８割は成人までにチックが消えるか軽減するが、症状が長引いたり多種類のチックが出たりする「トゥレット症」と診断される人もいる。根本的な治療法は確立されていない。

　次男は、チック

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