［医療ルネサンス］チックの悩み＜３＞就労継続　職場の理解重要

投稿日 2025年3月6日 05:00:00 （医療総合）

仕事帰りの菊地さん。入社したばかりの頃は終業後、ぐったりしていたが、今は自分のペースで働けるようになってきたという（東京都内で）

　神奈川県内に住む菊地涼太さん（２９）は中学２年の頃に、トゥレット症と診断された。東京都内のＩＴ企業に入社し今年で９年目。今でこそ自分がトゥレット症であることを周囲にオープンに語るようになったが、１０歳代の頃は自宅に引きこもっていた。

　菊地さんはチックの一種で不適切な言葉が出る「 汚言（おげん） 症」に悩まされていた。ある朝、混み合う時間帯を避けて乗った始発電車内で、乗客の容姿を大きな声でからかう言葉が出た。故意ではなかったが、高齢の男性に頬を殴られた。通学で電車に乗れなくなり、親が車で学校の送り迎えをした。高校卒業後には２年間引きこもった。外出が怖くなり、近くのコンビニ店にも行けなくなった。

　社会に出るきっかけを作ったのは、普段は寡黙な父だった。就労支援に関する様々な情報を収集してくれ

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