HPVワクチン　接種機会を逃した人への救済処置の期間　２０２６年３月まで延長…対象となる人の条件は？

　子宮 頸（けい） がんの原因となるヒトパピローマウイルス（ＨＰＶ）の感染を予防するワクチンについて、公費での接種の機会を逃した女性に対する救済措置「キャッチアップ接種」の期間が、条件付きで２０２６年３月までに延長されました。予防にはワクチンに加え、定期的な検診も重要です。（竹井陽平）

　子宮頸がんは、子宮の出口にできるがんで、日本では年間に約１万人の女性が新たにかかり、約２９００人が亡くなっています。

　このがんの原因の９５％以上は、性交渉によるＨＰＶへの感染です。感染した一部の女性で感染が持続し、細胞が異常な形になる「前がん病変」になることがあります。さらにその一部が進行してがんになります。

　感染を防ぐのがＨＰＶワクチンです。１３年４月に小学６年～高校１年の女性を対象に定期接種化されました。しかし、接種後の痛みや運動障害などの重い症状を訴える人が相次ぎ、国は２か月後、接種対象者に個別通知する「積極的勧奨」を中止しました。当時７０％を超えていた接種率は、１％前後にまで減りました。

　その後、国内外の研究でワクチンの有効性と安全性が確認されました。

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