ベニシアが自宅に戻って５か月　死とは何か考えるように…僕が「すまなかった」と深く反省したこと

　「ベニシアさんの命はあと２～３か月ぐらいです」。バプテスト病院の先生からそう言われ、施設から京都・大原の自宅に戻ってから、２０２３年３月には５か月が過ぎました。毎日、規則正しく介護と看護の時間は流れていきます。日々の生活にはほとんど変化がなく、この状態が永遠に続くように思われました。ベニシアは生きたい、生きようという意志が強いのだと思います。そのうち、前のように口から食べ物を食べられるようになって、元気になるかもしれない――。そんなことを、ふと思ったりもしました。

黄金色に咲き誇る、庭のミモザを見上げるベニシア（２０１２年４月１４日、京都・大原の自宅で）

　「マミィー」「ダーディー」「ディンディン」

　ある日、ベニシアはささやくように声を出しました。天国にいるはずの両親と乳母たちが、彼女になにか語りかけているのでしょうか。ベニシアの母ジュリアナは、好きになった男と４回も結婚して同じ数だけ離婚しました。パートナーを替えることで、新たな幸せが手に入ると思っていたのでしょう。そんな母に何度も振り

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