［佐藤優さん］慢性腎臓病（４）前立腺がん、冠動脈の狭窄　次々に見つかる病に妻からの腎移植足踏み

　前立腺がんの場合、放射線や薬物治療もあるが、腎移植を受けるには、がんが残っていてはならない。２０２２年３月、東京女子医大で前立腺と周りの神経、精巣をすべて切除した。

　知人などから、手術と性機能について、しばしば相談されるようになった。

　「６０、７０歳代でも世の男性にとっては、深刻な問題なんです。勃起しなくても性欲はなくならないし、自分で処理もできると、率直に答えています」

　自らの治療では、移植予定であることが泌尿器科と情報共有されていたため、性機能の温存にこだわらず、すぐ手術に踏み切れた。

　「別々の医療機関なら、温存を提案されて、受け入れてしまったかもしれない。病院内の横の連携が良かったおかげで、ほかにも何度も命拾いしたと思っています」と振り返る。

　移植の実施までには、さらに時間を要した。今度は血管の中が狭まる 狭窄（きょうさく） が心臓の冠動脈に見つかったのだ。人工透析を導入して約半年たっていた。導入前の検査では問題がなかったが、透析をすると動脈硬化が進むからと、念のため調べた結果だった。確かに、階段を上がる時など

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