学校を欠席する日が続いていた自閉スペクトラム症の男子高校生　突然、再び登校するようになったのはなぜ

　わたる君（仮名）は、小学校までは特に問題なく学校生活を送っていました。ところが、中学校へ入学すると、初めは問題なく過ごしていましたが、２年生の頃からは、クラスメートと口論になったり、イライラして暴言を吐いたりするようになりました。クラス内で孤立してしまい、保健室で過ごしたり、早退や欠席したりするようにもなってしまいました。それでも何とか卒業することはできました。

　高校入学後は環境も変わり、最初は頑張って登校していましたが、徐々にクラスメートとのやりとりがうまくいかなくなり、また孤立するようになってしまいました。学校を欠席するようになり、自宅でも気持ちが落ち着かない日々を続け、イライラが募って暴言を吐いたり、物に当たったりするようになってしまいました。そして、状況に改善が見られなかったため、ご両親と共に病院を受診されました。

　わたる君は、診察時の様子やご両親からお聞きした成育歴、心理検査等から、対人関係を築くのが苦手な、自閉スペクトラム症（ＡＳＤ）と診断されました。ご両親は「小学校までは特に問題なかったのに、なんで今になって自閉スペクトラム症と診断されるのですか」と驚かれていました。

　自閉スペクトラム症では、

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