道後温泉本館　乳がん患者らの「入浴着」着用OK…「全ての人が楽しめる観光地に」

　〈温泉は三階の新築で上等は浴衣をかして、流しをつけて八銭で済む〉。夏目漱石の小説「坊っちゃん」で、主人公のよく行く温泉は松山市の道後温泉をモデルにしたとされています。

　国内最古の温泉といわれ、海外からも多くの観光客が集まり、年間の宿泊者数は約７７万人に上ります。昨年７月には、温泉街のシンボルになっている道後温泉本館（重要文化財）が５年半にわたる保存修理工事を終え、全館営業を再開しました。

　泉質はアルカリ性単純泉で刺激の少ない、肌に優しいなめらかな湯です。５９６年に聖徳太子が来浴したとの伝説が残ります。

　湧出量は１日当たり約２０００トンで、神経痛や筋肉痛、関節痛のほか、冷え性や疲労回復などに効果があるとされています。加温、加水をしていないため、温泉の効能が出やすいそうです。

　昨年１２月に同館を訪れました。寒い日で手がかじかんでいましたが、数分、湯船につかると体の芯から温まりました。入浴後も体が冷めず、温泉の効果を実感しました。

　湯温は４２度。道後温泉事務所によると、付近には約２０～５５度の複数の源泉があり、「汽缶士」と呼ばれる専門

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