６歳の息子とお母さん　母子ともに自閉スペクトラム症　ママ友がおらず孤立する発達障害のお母さんの子育てをどう支える

　子どもの心の問題に対応するお医者さんは、以前よりは少しずつ増えてきていますが、まだ足りていない地域がたくさんあります。そもそも大人の心を診療するお医者さんが不足している地域もあります。私も普段は、子どもからお年寄りまで、幅広い年代の方を診療しています。今回は、大人を診療する精神科医としてお会いした発達障害のお母さんを通して、発達障害支援というものを考えてみたいと思います。

　まなみさん（仮名）は３０歳代の女性で、しょうた君（仮名）という６歳の男の子がいます。しょうた君は健康診断で指摘されたことはありませんでしたが、一人遊びを好み、こだわりが強く、育てるのがとても大変でした。幼稚園に入園しましたが、他の子どもたちとうまくコミュニケーションが取れず、思い通りにならないとパニックを起こすようになりました。

　保育士さんの勧めもあって小児科を受診したところ、自閉スペクトラム症（ＡＳＤ）と診断されました。診断された時、まなみさんは「それまでの大変さの理由がわかってほっとした」と感じたそうです。その後は、療育施設への申し込みや、小学校の特別支援教育の利用の手続きなど、慌ただしく時が過ぎました。まなみさんは、さらに、ＡＳＤのことをもっと理解しようと、発達障害関連の書籍

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