［医療ルネサンス］臓器提供の現場から＜３＞生きた証し　誰かのために

投稿日 2025年5月27日 05:00:00 （医療総合）

脳死と判定された後、病室で長女の手を握る女性＝提供写真

　心臓などに病気を抱え、臓器移植が必要な幼い患者の命を救うためには同世代の子どもからの提供が欠かせない。２０１０年の改正臓器移植法施行で６歳未満の幼児による脳死下臓器提供が認められ、国内では４２人が提供した。その背後には家族の重い決断がある。

　秋田県内に住む女性は今年２月、就学前の長女の心臓を提供した。

　長女は１月２４日、３８度近い発熱に 嘔吐（おうと） を繰り返しており、かかりつけのクリニックで風邪と診断された。女性は処方された薬を自宅で飲ませたものの、夜になっても嘔吐は治まらない。地元の病院に連れて行く途中、長女が車内でけいれんを起こしたため、消防署に駆け込み助けを求めた。

　秋田市内の病院に救急搬送され、２５日未明に秋田大学病院の集中治療室（ＩＣＵ）に転院した。インフルエンザによ

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