［多発性骨髄腫］主な症状は息切れ、倦怠感、むくみ、食欲低下、腰痛…新薬は、どうやってがんを攻撃？

　血液がんの一つ「多発性骨髄腫」の治療薬に最近、「二重特異性抗体薬」が登場しました。再発を繰り返し、従来の薬物療法が効かなくなった患者に効果を示し、生きる希望をもたらしています。（赤津良太）

　血液細胞の一つの形質細胞ががん化して骨髄腫細胞となり、骨髄の中で増えて様々な症状を引き起こすのが、多発性骨髄腫です。国立がん研究センターによると、年間約７３００人が診断され、約４３００人が亡くなっています。

　患者は、７０歳代前半に多くみられます。主な症状は息切れ、 倦怠（けんたい） 感、むくみ、食欲低下、腰痛などです。血液や尿の検査で異常が見つかり、この病気が原因と分かることもあります。

　治療の基本は薬物療法です。抗がん剤や分子標的薬、免疫調節薬などを組み合わせて使います。患者本人から採取した血液細胞のもとになる細胞を移植する「自家造血幹細胞移植」も選択肢になります。こうした治療で半数以上は「完全奏効」を達成できます。

　完全奏効は、骨髄腫細胞が著しく減った状態ですが、完治を意味しません。いったん良くなっても、再び悪化することが多いのが、この病気の特徴

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