大学病院医師　診療時間増　働き方改革…勤務時間は減

投稿日 2025年6月10日 05:00:00 （医療総合）

　勤務医の残業時間を規制する「医師の働き方改革」の本格導入後、大学病院で働く医師は、勤務時間が減る一方で、診療に充てる時間は増えたことが、全国医学部長病院長会議の調査でわかった。背景には、物価高などで病院経営が悪化するなか、収益確保につながる診療を優先する傾向があるとみられる。

　勤務医の残業時間は改正労働基準法に基づき、２０２４年４月以降、原則年９６０時間が上限となった。

　調査は今年１～２月、会員の８１大学病院の医師に勤務時間を尋ね、２９５４人から有効回答を得た。

　その結果、１週間あたりの総勤務時間は平均５２・５時間で、２４年５月の前回調査から１・１時間減った。このうち、診療には３５・７時間を充てており、０・８時間増えていた。大学病院は経営環境が厳しくなるなか、患者を多く受け入れて収益を増やそうとしていることがうかがえる。

　一方で、研究に充てる時間は７・１時間で０・２時間減、教育は４・５時間で１・３時間減となった。調査をまとめた岡山大病院の前田

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