「年取ると記憶力低下」に関係するたんぱく質、マウスで特定…奈良先端大など「脳を若返らせる可能性」

投稿日 2025年6月12日 13:58:00 （医療総合）

　記憶などをつかさどる脳の海馬で、特定のたんぱく質が働かなくなると、認知機能が低下することをマウスの実験で確かめたと、奈良先端科学技術大学院大などのチームが発表した。このたんぱく質を応用すれば、認知症などの治療法開発につながる可能性がある。論文が国際科学誌に掲載された。

　記憶や学習に関わる脳の海馬には、新たなニューロン（神経細胞）を作り出す神経幹細胞がある。加齢に伴い数が減り、ストレスなども重なって新たに生まれるニューロンも減少することで、認知症などを引き起こすとされるが、詳しい仕組みはわかっていなかった。

研究チームが特定したたんぱく質の働きのイメージ

　同大の松田 泰斗（たいと） 准教授（神経科学）らのチームは、マウスの成長段階ごとに、海馬内の神経幹細胞で働くたんぱく質を詳しく解析。その結果、加齢とともに「Setd8」と呼ばれるたんぱく質の量が減少していたことがわかった。

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