「おかしくなりそう」家族のストレス　専門職がケア…介護者を支える＜上＞

　家族を介護する人は、心身ともに負担を抱えがちです。要介護者だけではなく、介護する人へのケアも大切です。普段は要介護者を支えるケアマネジャーなどの専門職が、家族も支えられる仕組みを作ろうと取り組んでいます。

　「この生活がいつまで続くのかと思うと、おかしくなりそうだった」。大阪府吹田市の安達由紀子さん（６５）は、同居する両親を介護した日々を振り返る。

　１０年ほど前、父の正紀さんが転んで頭を打ち、歩くのが不自由になった。母の良子さん（９２）と協力してみていたが、数年後、母も骨折がきっかけで要介護の状態に。一人娘の安達さんが、介護と家事のほぼすべてを担うことになった。

　訪問介護サービスを利用したが、ヘルパーが毎日来てくれるわけではない。父はトイレに間に合わず、部屋を汚してしまうことがあった。毎回、汚れたカーペットや寝具を手洗いしながら、涙がこぼれた。トイレのドアの音が聞こえるたび、「また汚したのでは」と気が休まらなかった。

　気むずかしい父はデイサービスに行くのも嫌がった。「早く死んでくれたらいいのに」。聞こえよ

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