過労死遺族、授業で訴え…「命より大切な仕事はない」「どの仕事でも誰にでも起きる危険性」

投稿日 2025年6月20日 15:00:00 （医療総合）

　過労死で家族を亡くした遺族らが、学校で子どもたちに命の大切さや働き方について考えてもらう授業を行っている。過労死等防止対策推進法に基づく国の事業で、２０１６年度の開始から１５００回を超えた。講師役を務める遺族は「将来、子どもたちに同じ思いを味わってほしくない」と悲劇の根絶を願う。（西村魁）

誰にでも起きる

娘の後輩たちを前に過労死の根絶を訴える幸美さん（静岡県沼津市の加藤学園暁秀高校で）

　「命より大事な娘だった。死ぬまで働くなんてせず、生きて幸せになってほしかった」

　今年３月上旬、静岡県沼津市の加藤学園 暁秀（ぎょうしゅう） 高校。１５年１２月に過労自殺した大手広告会社「電通」（東京）の新入社員・高橋まつりさんの母親の幸美さん（６２）が、約１４０人の生徒を前に声を詰まらせた。

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