便潜血検査３年続けて陰性、それでも見つかった大腸がん２期…どうして？

　大腸がん検診の便潜血反応検査は、陽性であれば大腸内視鏡検査を行うことで大腸がんの早期発見につながります。しかし、陰性だったら１００％大丈夫かと言うと、必ずしもそうではありません。そんな例を紹介します。

　会社員だったＨさん（６８）は、毎年の健康診断でも大きな異常はなく、元気に６０歳で定年を迎えました。６１歳からは居住する市の健康診断になり、任意の便潜血反応検査も受けました。３年続けて陰性だったので、「大腸がんは大丈夫」と自分で判断して、４年目は受けませんでした。

　気になる症状が出たのは５年目の検診前のことでした。それまで経験した記憶のない腹部の膨満感を覚えるようになったのです。「便秘気味だからかな」と考えたものの、友人や知人が大腸がんになった話を聞いていたし、妻に相談すると、「一度検査を受けたら」と言われて、その気になりました。

　私のクリニックを受診して、大腸内視鏡検査を実施すると、横行結腸に４０ミリの 平坦(へいたん) なポリープが見つかり、組織を取って調べると、大腸がんとわかりました。「検診では陽性になったことはないのに、大腸がんですか。わからないものですね

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