［医療ルネサンス］医療・介護現場のカスハラ＜４＞医師の接し方で心安定

投稿日 2025年7月7日 05:00:00 （医療総合）

　患者の言動は、接し方次第で変わるのではないか。そんな思いで患者とのやりとりを工夫している医師の取り組みもある。

腰をかがめて、目を合わせて男性に語りかける勢納さん。語り口も、まなざしも優しい（名古屋市で）

　４月下旬、名古屋市の有料老人ホーム。城西名原訪問クリニック（同市）院長の 勢納（せのう） 八郎さんは、施設で暮らす９０代の認知症の男性に深々とお辞儀をした。その後、男性の目線の高さまで腰をかがめ、目を合わせて優しい口調で語りかけ始めた。

　話題の中心は男性が現役時代にしていた電気関連の仕事の話だ。「どんな点を大切にしていましたか？」と水を向けると、「感電死かな」と男性。「感電に気を付けていらしたのですね」。勢納さんはうなずき、男性の回答を繰り返すと、険しかった男性の表情が緩む。勢納さんによる訪問診療の日常風景だ。

　勢納さんは日本臨床コー

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