がん免疫薬　強める腸内細菌…樹状細胞を活性化　新薬開発期待

投稿日 2025年7月15日 15:00:00 （医療総合）

　がん免疫療法の薬の効果を高める可能性がある新たな腸内細菌を発見したと、国立がん研究センターなどの研究チームが発表した。この腸内細菌が腸から離れたがんに影響する仕組みも解明し、今後、新薬開発につながることが期待される。論文が１５日、英科学誌ネイチャーに掲載された。

　薬は「免疫チェックポイント阻害薬」と呼ばれ、がんが免疫細胞にブレーキをかける仕組みを解除し、免疫の本来の攻撃力を高める効果がある。オプジーボなどが知られ、様々ながん治療に使われているが、長期の効果が得られるのは患者の２０％程度とされる。腸内細菌が効果に関与すると報告されていたが、詳細な仕組みは不明だった。

　チームは肺がんと胃がんの患者計５０人から治療前に便とがん組織を採取し、阻害薬が効いている患者で増えている腸内細菌と免疫細胞を解析。その結果、効果があった患者には腸内細菌「ＹＢ３２８株」が多く、マウス実験でもＹＢ３２８株があると治療効果が強く出ることを確認した。

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