低温サウナ　心臓病治療に一役

　適切な利用で健康維持や増進に役立つサウナ。実は心臓病の治療に応用されています。低めの温度のサウナで血管の機能を改善する「和温療法」です。２０２０年に慢性心不全への治療について保険適用されました。

　鹿児島大の医師らが中心となり、１９８０年代から治療法の開発に取り組みました。当時、心不全に入浴はよくないと考えられていましたが、「死ぬまでに一度、温泉に入りたい」と希望する患者がいたそうです。

　医師たちは自動昇降式の浴槽を使って、患者の様子を確認しながら１日１回の入浴を試みたところ、症状が次第に改善。２か月後に退院できるまで回復したそうです。その後の研究で体の奥の「深部体温」の上昇が回復に効いていると分かりました。

　ただ、お湯につかる入浴には水圧作用があります。全身をもみほぐし、むくみを取る効果がある一方、心肺機能に懸念がある人にとっては負担になります。そこで水圧を避けるため、サウナの活用を始めました。

　和温療法では、患者は医療用のドライサウナに１５分入ります。温度は６０度と低めです。医療スタッフが異常がないかチェックしながら実施します。サウナから出たら全身をタオルや毛布で覆って

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