被告病状把握　徹底求める　最高検方針…大川原化工機元顧問死亡受け

投稿日 2025年8月7日 05:00:00 （医療総合）

　精密機械製造会社「大川原化工機」の元顧問が逮捕・起訴後の勾留中、がんが見つかったのに保釈されないまま死亡したことを踏まえ、最高検は、重篤な病気を理由とする保釈請求があった場合、拘置所を通じて病状把握に努めるよう各検事に求める方針を固めた。元顧問については東京地検が拘置所に病状を問い合わせないまま保釈に反対し、裁判所が請求を退けていた。

　同社を巡っては、警視庁公安部の逮捕と地検の起訴を違法とする東京高裁判決が確定。最高検が地検の捜査を検証しており、７日にも検証結果を公表する見通しで、捜査が不十分なまま起訴したと総括するとともに、保釈請求への対応についても言及するとみられる。起訴した主任検事らの懲戒処分は見送るという。

　同社元顧問の相嶋静夫さんは２０２０年３月、噴霧乾燥機を不正輸出した疑いで社長らとともに外為法違反容疑で逮捕、起訴された。勾留中に胃がんが見つかり、治療のために保釈請求したが、地検は「証拠隠滅の恐れがある」と反対し、東京地裁も認めなかった。相嶋さんは起訴が取り消される前の２１年２月、被告のまま７２歳で亡くなった。

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