［第４９回正力松太郎賞］＜３＞ミャンマーで３０年、無償で医療支援…【特別賞】吉岡秀人さん　５９　特定非営利活動法人ジャパンハート（東京都台東区）最高顧問　小児外科医

　ミャンマーで３０年にわたって無償の医療支援を続けている。今年３月下旬に発生した大地震では、自らも被災しながら、救援活動に加わった。ミャンマーにゆかりは元々なかったが、「理由は何でもよかった。医療を求めている人たちに医療を提供するのが僕の目的だった」と話す。

　大分医大（現大分大医学部）を卒業し、救急病院に勤務していた時、太平洋戦争の激戦地であるミャンマーで戦死した日本軍兵士の遺族から、現地での医療活動を依頼された。１９９５年に活動を始めた当時、「患者が診てもらえず、病院の外に投げ出されている」という状況だった。「遺族はこの光景を見て、自分の家族が亡くなった場所で同じように苦しんでいる人を救ってほしいという思いになったのだろう」と語る。

　２００４年には「医療の届かないところに医療を届ける」を使命とする「ジャパンハート」を設立。団体として累計約４０万件の治療をすべて無料で行ってきた。「自分がやりたいから医者になり、現地で治療している。根本的な動機は何かというと、自分がそれをすることが自

続きを読む