［からだの質問箱］夫が肝膿瘍　「完治せず」と診断

投稿日 2025年10月3日 05:00:00 （医療総合）

　７５歳の夫は高熱とせきが続き、病院で「 肝膿瘍（かんのうよう） 」とわかり、入院しました。医師からは「奥にも 膿（うみ） があるらしく完治しない」と言われ退院。「高熱が出たら来て」と言われ、禁酒も言い渡されました。（７０歳女性）

長期にわたる抗菌薬治療も…中村造　東京医科大学病院感染症科准教授（東京都新宿区）

　肝臓は栄養素を分解・貯留したり、有害物質を解毒したりする臓器です。肝膿瘍は、肝臓に微生物が感染して膿が貯留する疾患で、多くは腸管内に存在する微生物が肝臓に侵入して発症します。原因微生物は細菌のほか、アメーバ赤痢などの寄生虫が有名ですが、現在では衛生状態が改善して、アメーバ赤痢による症例数は減少しています。

　膿が 貯（た） まれば痛みを自覚しそうですが、肝臓が痛みを感じることはまれで、多くの場合は発熱が主たる症状です。一方、胆管に 狭窄（きょうさく） や腫瘍、結石があると胆管炎となり、そこから肝臓に菌が侵入します。虫垂炎の場合も、菌侵入の原因となります。ＣＴ（コンピューター断層撮影法）検査やエコー検査のほか、血液内に侵入した微生物を検出する血液培養で

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