［医療ルネサンス］希少疾患とわかって＜１＞病気の区別困難な痛み

投稿日 2025年10月6日 05:00:00 （医療総合）

患者向けの説明資料を手に、「診断されるまで、いろんな病院の診療科を回った」と振り返る北村さん（大阪市で）

　大阪府貝塚市の自営業、北村和美さん（４１）は２０２３年３月頃、右手がしびれるようになり、夏には背中や股関節が痛んで歩けなくなった。

　かかりつけの婦人科クリニックから地元の公立病院を紹介された。内科や整形外科を回っても、体に何らかの炎症が起きていることしかわからなかった。処方された痛み止めは全く効かず、痛みで箸が持てなくなり、食事はスプーンを使って普段の３倍ほど時間がかかるようになった。

　別の病院で診てもらったところ、血液検査の結果から「低ホスファターゼ症（ＨＰＰ）」という希少疾患の可能性を指摘された。骨の形成などに関係する「アルカリホスファターゼ（ＡＬＰ）」という酵素の働きが弱いことで起きる病気で、確定診断のために和歌山県立医大病院で検査を受け、２４年３月に正式に診断された。

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