［中村征夫さん］帯状疱疹ほうしん（２）１～２時間しか眠れず

　キリのような鋭利なものが背中に突き刺さる感じだった――。

　異変が身を襲ったのは、２０２２年１２月１日。最初は右肩の後ろがチクチクチクとした。「あれ、なんだこれ？」という感じ。愛犬と遊ぶため、しばった手ぬぐいを力いっぱい投げていたせいかとも考えた。

　近くの診療所を受診したのは２日たってから。右の胸と背中に赤い発疹ができたのを知って、さすがにおかしいと思った。振り返るに、この治療の遅れが症状を悪化させた。

　医師が下した診断は帯状 疱疹（ほうしん） 。子供の頃に多く発症する水ぼうそうのウイルスが再び活動を始め、激痛を引き起こす。疲れやストレスなどによる免疫力の低下で、高齢になると発症しやすい。

　「なんとも意地悪な痛みだった」。夜は１～２時間程度しか眠れなくなった。帯状疱疹自体は１２月中に完治したが、まんじりともしないまま夜を明かす日もあり、そのような状態は翌年２月頃まで続いた。

　「強い薬を何種類も飲んで、自律神経もやられたようです。 倦怠（けんたい） 感とともに気分が落ち込み、うつ状態になったようでした」と分析する。

続きを読む